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■ 自閉症の息子と共にA 自立への子育てへ 2006/07/14(Fri)
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著者の明石洋子さんの息子さん(徹之さん 1972年生まれ 34歳)は、現在公務員として生活環境局で4年9ヶ月、特別養護老人ホームで6年、そして現在は老人福祉センターで働いています。そして徹之さんは2歳のときに「発達にずれがある子」と言われ、最終的に8歳時に「知的に重度の障害のある自閉症」と診断されている方です。 今回は、あえてこの3部作の中の2冊目「自立への子育て」を取り上げたいと思います。自閉症という障害を持つ方はもとより、特に障害を持たない子供さんを育てておられるお母さんにとっても、明石さんの子育てをするときの心得は、参考になるものだと思います。トイレットトレーニングや言葉を教えている具体的な方法だけであれば、自閉症の子どもさんを持つ親達にとってだけしか参考にならないかと思うのですが、明石さんの子育ての一番の柱は「生活の中で生きる力を育て、楽しい体験から自分の思いを育て、自立への思いと力」を育てることでした。いつも基本はそこにあり、そのために目の前にある困難なことをどのように捉えて、どんな方法が徹之さんにとってより良い方法なのかを、試行錯誤の末にひとつひとつ時間をかけて(できるようになるのに10年かかったこともあるそうです)、取り組んでこられています。だれもが明石さんのようにできるかどうか、それはわかりません。けれど「生活の中で生きる力を育てる」ということを考えると、訓練だけが有効なことではない、ということがわかります。方法論としては正しいかもしれないけれど、日々の生活の中で、子どもさんにとってわかりやすくシンプルな言葉で話しかけることの大切さは、子どもの心の中に根付いていきます。偏食をなおすために、野菜を育てたり、興味を示すことならばトライさせてあげようと料理を出来る範囲で手伝ってもらったりと、様々なトライアルをされてきています。 徹之さんは診断された頃は、言葉もあまりなく確かに知的に重い自閉症の子どもさんでした。明石さんとご家族、周囲の人達の関わりがあったから今があるのか、もともと伸びる子どもさんだったのか、それはよくわかりません。けれど、今の状況もやはり明らかな自閉症の方であることは間違いないと思います。それでも、周囲にとけ込める素地ができていること、例えば「あいさつをきちんとする」など基本的なコミュニケーションは、誰にも必要なことですし、時間をかけてじっくりと教えていき、出来たときに誉めていき、自尊心を高めることはとても必要なことでしょう。また、高校入学や就職に当たっては徹之さん自身の「気持ちや意思」をしっかりと外に出せるようになってきました。たぶんこれは明石さんが期待していた以上の成長なのだと思います。このようながんばる力を持ち続けられること、それを養ってあげるサポートをしていくこともまた、社会的な自立を見据えた支援なのだと思います。障害を持つ持たないにかかわらず、たくさんの方に読んでほしい本だと思います。 |
くり坊 |